疾病に罹っている比率という意味で、「被患率・罹患率・有病率」という言葉がさまざまな場面で
安易に用いられていますが、厳密にはそれぞれ意味が違います。
ぜん息を「罹患率」という表現で表わすのは正しくありません。
○ 定義の比較表
被患率 |
文科省や地方自治体の 学校保健統計で使用されることが多い。 |
罹患率 (発生率) |
疫学用語。厚生労働省の統計では、伝染病と食中毒に使用する。 |
有病率 (有症率) |
最初に罹患した時期とは無関係に、ある時点(検査時)における集団の 疾病に罹患している人の割合。 |
○ 横浜市教委では「り患率」と表記していた
神奈川県教育委員会と文部科学省で調査した健康調査の統計で、
過去に罹患率という表現を使ったことはありません。
ところが横浜市教育委員会の疾病調査の統計では、
平成14年まで「り患率」、平成15年より「被患率」と表記しています。
横浜市の調査は県の委託で行われるものなので、神奈川県が使用している被患率を使うべきでした。
横浜市教委に「り患率から被患率に表現を変えたのはなぜか」尋ねたところ、
「記録も担当者も残っていないので返答できない」とのことでした。
○ 参考サイト
・ からだの博物館~読む医学と健康の小事典~罹患率有病率死亡率
・ 厚生統計に用いる主な比率及び用語の解説
・ 罹患、罹患数、罹患率(Morbidity)(りかん、りかんすう、りかんりつ)
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